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第2回映画監督 大森立嗣監督の俳優ワークショップレポート


第2回大森立嗣監督のワークショップが4日間に渡って行われました。

今回は、ジャン・ユスターシュ監督の『ママと娼婦』、 サミュエル・ベケットの『ゴドーを待ちながら』オーソン・ウエルズ主演の『ロープ殺人事件』の一場面をテキストとして使用しました。参加した俳優(受講者)は、与えられたテキストを全て憶え、各々の解釈で難しいテキストを演じました。

大森監督は先ずそれぞれの俳優が与えられたテキストを自らの解釈で自分を取り巻く状況、相手の表情、感情を感じ取りながら演技を行えるかを見極めます。そして、個々の俳優が抱えた問題を指摘していきます。そこにはそれぞれ異なる問題があるのですが、多くの俳優が緊張や自意識によりリラックスして演技をすることが難しいことを感じます。しかしリラックスしなければ、自らを開いて状況を感じながら生きた良い演技はできません。

俳優は監督から指摘された問題と4日間格闘し続けます。この4日間で見違える程、演技が上達する者もいれば、全ての自信を喪う者もいます。ただそこには俳優として立ち続けるために必要な何かがあり、避けて通ることが出来ないものだと思います。

大森監督のワークショップは、与えられたテキストを上手くこなせば良いものではありません。俳優は、役を通して自分が何を想うか、何を感じるかを自らの肉体、声、表情、動作を通じて伝えていかなくてはなりません。それは、結果として自分以外取り替えのきかない、自分が何者であるかを表現することになるのです。

大森立嗣監督のワークショップは、今後も年間を通じて不定期に開催する予定です。

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